先生・CNインタビュー

2023.12.22

チャレンジを続ける地域、先生の隣で、一人ひとりに伴走していく。

島根県立隠岐島前高等学校/隠岐島前教育魅力化コーディネーター 宮野 準也さん

宮野 準也さん

2010年より4年間、株式会社ニトリに勤務。その後、2014年から隠岐島前高校教育魅力化プロジェクトの一環として、隠岐國学習センタースタッフに。2016年から知夫村教育魅力化コーディネーターを5年経験し、2021年からは再び隠岐島前教育魅力化プロジェクトへ戻り、教育魅力化コーディネーターとして従事。

宮野 準也さん

10年近く経っても感動が尽きない、エモい仕事。

大学で教員免許を取得しましたが、クラスを受け持った時のことを考えると、将来先生になる生徒はほんの一握り。自分が先生になった時、一般企業での経験が役立つと感じてニトリへ。転職のタイミングで、大学時代に読んだ「流学日記」の著者・岩本悠さんを思い出し、ブログを開いたら「教育を軸に島を盛り上げていく」という取組を島根で行っていて。面白そうだと思いました。2014年は隠岐島前高校と連携している公立塾、隠岐國学習センターで活動し、2016年から5年間は小・中学生版の島留学立ち上げのコーディネーターとして関わりました。高校だけで考えると10年目ですが、この仕事はエモい仕事だなと思います。生徒の卒業、成長はもちろん、先生の変化や試行錯誤、地域の人の想いとか本音みたいなところに触れられる。心が震える場面がたくさんありますね。

新しい人もチャレンジも、受け入れてくれる環境がある。

人数が多くない高校だからこそ、先生がチャレンジしやすくイキイキしているのが魅力です。例えば、数学の先生が「探究の授業と数学の授業はつながっている」ことを試すため、生徒が数学に関する質問をつくる参加型の授業をしたんです。問いをつくる過程で探究が深まるし、数学の復習にもなる。そんな新しい取組を他の先生が見学したのですが、その人数がすごいんです。なんと、生徒20人に対して、先生は23人!これだけでチャレンジに前向きな校風が伝わりますよね。こういう先生のチャレンジ精神は生徒に伝わるし、授業の熱量も高めてくれます。先生方の挑戦を応援しつつ、私たちコーディネーターは今ある既存のものや人、コンテンツを繋ぎ生徒の可能性を拡げていきたいです。

日本で初めての、普通科改革にチャレンジ!

 私たちは今、全国で初めての普通科改革に挑戦していて、今年度から地域共創科という新しい学科を作りました。全国の公立高校の7割が普通科高校で、日本中どこに行ってもほぼ同じカリキュラムを学べる。それも魅力ですが、学校の裁量で決められるコマを増やし、地域や学校の独自性を出していく取組を行っています。具体的に言うと、週1日、丸ごと地域活動ができる実践重視のカリキュラムです。今までの当たり前を全部一旦疑ってみて、何が最適なのかも含めて、新しいチャレンジの連続でしょうね。実践が増えて学びが深まり、地域だけじゃなく、グローバルにつながる。そうすることで、生徒の進路も大きく変わってくると思います。

これからしまね留学を目指す方へ

少人数だからこそ、一人ひとりに注目が集まり、「あなたはどんな人?」を常に求められます。そう言われると厳しそうに感じるかもしれませんが、私がここにきてから一度も、人の考えを否定する言葉を聞いたことはありません。これは地域性だと思うんです。コーディネーター含めた伴走者も、引っ張り上げてくれる人、共に走ってくれる人、いろんな人がいます。「やってみたい」ということがあったら、どうしてそれがやりたいのか、将来どうしたいのか、と未来を否定せずに、その可能性を拡げていきます。引き続き、生徒に対しても、学校に対しても、地域に対しても、未来の可能性を一緒に考えて前向きに進んでいきたいです。

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