高2留学生インタビュー

2022.03.01

島根県立隠岐島前高校 林七菜子さん

なぜ「しまね高2留学」に?

私立の中高一貫校にいた時、自分がいた環境に対して「なぜその環境にいるのか?」「それが自分に合っているのか?」と疑問に感じ始めました。小学生の頃から受験生として勉強をして、やっとの思いで入った学校だけど、勉強ばかりの日々でした。でも、将来の夢とかはなく、何のために勉強してるんだろうという気持ちになっていました。
友達と会えるのを日々のモチベーションにしていたのに、コロナ渦でそれがなくなってしまいました。もう、ただただオンラインで課題に取り組む日々で、ネガティブな思考になっていました。そんな時に留学のチラシが学校で配られ、学生らしい生活やもっと違う高校生活を送りたい、真逆の環境に行きたいと思いました。私は島前高校に惹かれ、インスタで調べたりしました。すると偶然、お子さんが島前高校に通っているお母さんのアカウントを見つけました。その子のフォロワーから島前高校のアカウントをのぞいたりとか、こんな生徒がいるんだーと思っているうちに、もうここだってなっちゃいました。ここで動かなかったらこのまま高校生活が終わってしまうなって思ったので決断しました。オープンスクールの時に隠岐の景色に惹かれ、気付いたら「ここに行くしかない!」となっていました。

留学前に不安だったこと

カナダ留学の時にホームシックがひどかった経験があるので、直前になって心配になっていました。 でも、隠岐に来てからの3日間くらいは親に連絡してませんでした。カナダの時は時差とか関係なく電話をして号泣していたのに、 連絡しなさすぎて親に心配されました。それくらい、みんなと打ち解けるのに何も問題なかったです。

嬉しかったこと

七菜子さんの英語のスピーチを見て、「私もチャレンジしてみたい」と言われたことです。 寮の食堂でコンテストの発表練習をした時に、1年生の子が「食堂で七菜子さんがやってるのを見て、すごいかっこいいなーと思って私もチャレンジしてみようと応募したんです」と言われたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。その後も他のスピーチコンテストの募集があったんですけど、応募人数が今まででは考えられないほど増えたよと先生から聞きました。「あなたがみんなの刺激になってるみたいよ」と言われてすごい嬉しかったです。あなたの存在のおかげでと言われると、本当に嬉しいなって思いました。

1年間で一番頑張ったなと思うこと

英語のスピーチコンテストとディベートコンテストです。ずっとやりたかったんですけど、留学前は時間がなくてできていませんでした。練習のために寮の食堂で発表もしました。コンテストでは島根県大会にいって県大会で優勝して、全国大会にいくことになりました。

自分のココが変わった

想像以上に自然が綺麗です。私は寮生活がすごく好きで、環境の変化ももちろんありますけど、自分の考え方とか性格も 変わったなーって実感することが多いです。この変化を選んだのは本当に正解だったなとつくづく感じます。

一番おどろいたこと

船が欠航すれば休校になることです。 初めて聞いた時は本当にびっくりしました。今は、明日の天気が荒れるよって情報が入ってきたら、 女子寮生たちが風の向きとかを分析して、波が何メートル予想だから明日は欠航になるよとか予想しています。

在籍校との勉強の仕方の違い

在籍校では課題が多くて追われてました。その分、義務感があって、やらされてる感がものすごく強かったです。 でも今は週末にしか宿題が出ないので、自分で勉強をすることもあります。私は自主的に勉強するタイプではなかったので、 自分自身も親も驚いてます。宿題が出ないから、自分から勉強する、勉強時間を決めるっていう習慣ができたのが驚きです。

思い出スポットBEST3

レインボービーチ

海が近いので、夏休みは仲の良い友達から「今からレインボー飛び込もうよ!」といきなりのお誘いがあったりします。しかも、島前の人たちってみんな服のまま飛び込むので驚きました。周りに家もないので、大きなスピーカーで洋楽をガンガンにかけながらみんなで飛び込んだりとかしてます。ちなみに私は、飛び込んだ後に自分が泳げないことに気づいて、溺れかけたけど、みんなが助けてくれました。

部屋で菓子パ、食堂で雑談、イベントなどたくさんの思い出がある中で、共同生活はインスパイアされた事がたくさんあります。人の幸せを心から認めて一緒に喜ぶっていうことができるようになりました。意識が高い人が多いから、みんなが気持ちよく過ごせる案を出したり、何かいいことをされた側も、自分もしようって気持ちになります。その繰り返しだから、寮はすごく好きです。

豊田地区(海士町の地名)

夏休みのインターン、地域のイベントへの参加、地区の住民の方々とお話ししたこと。シェアハウス生活をしてた時も、シェアハウスのメンバー4人と大人の島留学生で、朝方4時くらいまで「高校生らしさって何?」を話していました。「実はあなたのこういうところ尊敬してたんだよ」とか話して、お互いの人生や価値観についてをじっくり話し合うことができる人がいる島前が私は大好きです。

1年前の自分へMessage

この留学を一言で表すと「幸(さち)」
幸せです。小学校で受験したり、将来のためにこれは絶対に役立つからと、よく分からないぼやっとしたもののために走り続けてた人生でした。それが隠岐島前高校に来てからは本当に自分のフィーリングに従って毎日生きてる実感が続いています。自分が幸せと感じることをひたすらにやり続けてた1年間だったし、自分が落ち込んでいる時も夜な夜な話を聞いてくれる友達がいたり、何かあったら支えてくれる友達がいる。そんな友達をここでたくさん作れたっていうのも幸せなことだなと感じています。自分って幸せ者だなって人生で初めてこんなに思った1年間です。毎日、夜寝るときに「あぁ今日もいい1日だった。明日が楽しみ」と思って寝れたのが本当に幸せでした。悩むこともありますし、最近も色々大変なこともあります。けど、今までは勉強のことでしか悩んでいなかったのが、こんなに人間らしいことで悩める自分が幸せだなって思えます。あの時、しまね高2留学という最高の選択をしてくれた自分に、ありがとう!

もちろん人間関係の悩みも多少はあります。あと、今までは結構自分の感情について深く考える暇がなくて、常に何かに追われて脳みそが埋まってました。それが容量が増えた分、自分の感情にとことん向き合う時間が増えて、気づいたら2時間くらい一人で散歩しながら考えごとをしたりとかもあります。2時間くらいなら余裕で歩けるようになっちゃいました。

進路について、職業は正直何も思い浮かばないです。でも、自分は英語がもともと好きで、勉強の中では一番得意科目だから、それを生かす何かがしたいと言うのは昔からずっと思っていることです。東京とカナダと隠岐という3つの拠点で生活してきた中で、自分の感性や価値観、アイデアを使ってできる仕事、私だからできることをやりたいと思っているけど、具体的にはなんだろうみたいな感じですかね。大学については、国際教養学部とか色んな学校の総合政策なら今とやってることが似ているかなと考えています。あとは、こうやって考えることが多くなったからか、自分が社会学とかの系統にも興味があることに気づきました。社会学系に進むか国際系に進むかを、今すごい悩んでるんですけど、地域の色々な大人の方と話して模索中です。

学校情報

島根県立隠岐島前高等学校

〒684-0404
島根県 隠岐郡海士町 福井1403
TEL:08514-2-0731

詳しくはこちら

この記事をシェアする