三島 啓太さん
2008年に熊本大学を卒業後、国土交通省中国運輸局に入庁し、会計、海運行政、運行労務管理などに携わる。その後、2015年に飯南町役場に入庁。翌年からは高校魅力化コーディネーターとして、生徒募集や探究学習の企画などに従事。2022年からは飯南高校の学校経営補佐官に。
若者の地元愛を育める、かっこいい大人に。
私は中学時代に「町長になって町をもっとよくしたい」と思っていたくらいなので、大学で外に出ても帰ってくるつもりでした。だからこそ、ほかの場所で経験を積もう。そう思って選んだのが国家公務員です。広島や岡山などを転々とした後、30歳で役場職員としてUターンしました。戻った理由はシンプルで「地元にかっこいい大人を増やしたい」から。かっこいい大人が増えれば、島根・飯南に戻る若者がきっと増える。そんな私に与えられたのが、「飯南高校の2代目コーディネーター」という役割でした。教育の知識がないため不安もありましたが、今は教員とは違う立場であることを意識して、カジュアルに接していますね。2022年からは学校経営補佐官として学校運営協議会・運営委員会への出席や生徒募集戦略の立案など深い部分から、しまね留学生をバックアップしています。
四季の変化や人の温かさ、伝統。いろんなものを感じて。
飯南高校がある町は、しまね留学の他のエリアと比べても、少し不便かもしれません。逆にそれが刺激になります。そういう中で、四季を感じたり、神楽に挑戦して広島で開催される神楽甲子園に出たり。「不便な中でも、どうやって楽しむか、生きていくか」を考えるきっかけになるはずです。それに、飯南高校は地域の方ととても距離が近い。「はやしこ」という地域の秋祭りに県外の生徒も参加できるように、地域の方から学校長へ「授業を公欠にしてもらえないか」と言ってくださって。これには感激しました。町の方も一体になって本当に生徒のことを考えてくださるんです。
生徒に対する教職員の数が多いので、クラス担任じゃなくても学年全員の名前や進路を知ってサポートできるなど、地域だけでなく、高校の学びの面でも安心だと思います。
主体性を伸ばし、笑顔で卒業できる支援をしていきたい。
私が大切にしているのは、「主体性の向上」と「笑顔になってもらうこと」。そのためのきっかけづくりとして選択肢を増やすことを心がけていますね。生徒一人ひとりを見て、何をどのタイミングで伝えるのか。イベントがあれば声をかけて、不安そうなら一緒に参加します。そういう活動や地域の方の支えもあって主体性も上がってきて、例えば「学校案内」の冊子づくりは生徒が業者とのやり取りから、紙の質・サイズ、レイアウトまですべて考えます。他にも、オープンスクールはすべて生徒が運営。当日の中学生や保護者への対応も生徒が主体で行ってくれて、日々成長に感動しています。
これからしまね留学を目指す方へ
このページと出会い、しまね留学を決意したことだけでも大きな1歩であることは間違いありません。しかしそこで満足せず、入学してからどれだけ挑戦できるかが重要です。人生はずっと成長期。私自身、楽しさを忘れずにチャレンジを続けていくので、みなさんも失敗を恐れずに挑戦していきましょう。想いさえあれば、私たちコーディネーターや地域の大人たちがサポートします。卒業式後のホームルームでは、「飯南に来て良かった」と涙を流して語るしまね留学生も少なくありませんよ。