しまね留学インタビュー

2021.06.17

島根県立情報科学高校 谷口秀矢さん

谷口秀矢さん

・ 大阪府出身
・ 一人暮らしがしたいという思いからしまね留学に
・ 情報科学部に所属

谷口秀矢さん

プログラミング言語を学びゲームアプリを開発
大阪府から情報科学高校に進学した谷口秀矢さん

国内外で広く使用されているプログラミング言語「Ruby(ルビー)」は、日本で開発されたものでは初めて国際規格として認められたプログラミング言語です。島根県はRubyの発祥の地でもあります。世界的な技術を生んだ島根県で情報教育の先進校を目指しているのが同県立情報科学高校(同県安来市)です。
同校では、生徒全員がRubyを履修し、生徒によるITイベントを開催するなど、IT人材の育成とITを通した地域貢献を続けています。大阪から同校にしまね留学し、ゲームアプリを開発した谷口秀矢さん(取材時3年生)が、所属していた情報科学部の顧問である福間亮子先生とともに、高校生活について語ります。

インタビュー中の風景

一人暮らしに憧れ大阪からしまね留学

 

――谷口さんは大阪の中学校から情報科学高校に入学しました。同校に進学を決めた理由について教えてください。

 

谷口秀矢さん(以下、谷口さん):中学生の時から、高校生になったら一人暮らしがしたいと思っていました。将来の仕事について具体的に決めてはいませんでしたが、漠然と「パソコンを使う仕事かな」という考えがあったんです。親が県外に留学できる「しまね留学」を見つけてくれて、情報教育に特化した学習ができる情報科学高校に行こうと決めました。

 

――大阪から島根の高校に行こうと決めた時、周囲の反応はどうでしたか。

 

谷口さん:両親も一緒に探してくれていたので、家族の反対などは特にありませんでした。担任の先生を含め、割と周囲の理解は得られたと考えています。

 

 

――故郷を離れて一人暮らしをすることにどんな期待がありましたか。

 

谷口さん:とにかく一人暮らしに対する憧れが強く、楽しみで仕方がありませんでした。アニメや漫画などでは、一人暮らしを良いイメージで描いているケースが多い。その影響もありました。でも、実際やってみると、思いのほかキツい。ここまでキツいとは正直思っていませんでした。

 

――寮生活はどういうところが大変でしたか。

 

谷口さん:アパート形式の宿泊施設で、部屋はワンルームで独立しており、自炊から掃除まですべて自分でやる必要がありました。自分で料理をするのは楽しい部分もあったのですが、食事後の皿洗いが面倒で……。ついつい、洗い物をためてしまうこともあります。

 

福間亮子先生(以下、福間先生):他のしまね留学の寮では、相部屋が多く、舎監さんもいます。食事も食堂に集まってみんなで食べる形式のところが多いです。一方、情報科学高校の寮はアパート形式なのが特徴といえます。

 

 

谷口さん:確かにすべて自分で管理しないといけないので大変なところもありますが、近くには病院やスーパーもあるので、楽しく生活を送れています。ただし、定期的に部屋が綺麗かどうかの確認があります。

 

 

タイピングゲームを独自に開発

 

――情報科学高校のしまね留学生はどのくらいいるのでしょうか。

 

福間先生:県外から来ている生徒だと、3年生が2人、2年生が1人、1年生が6人と、以前よりもぐんと増えています。島根県でも浜田や隣の松江市など、県内全域から生徒が集まっており、宿泊施設は県外だけでなく県内生も利用しています。

 

――しまね留学に来る生徒はどういった生徒が多いのでしょうか。

 

福間先生:明確な目的意識がある積極的な生徒が多いですね。特に情報科学なので、ITをやりたいというモチベーションが高い生徒が来ている印象です。「かわいい子には旅をさせよ」的な考えのご家庭も多いのではないかと思います。

 

谷口さん:生徒の僕から見ても、優しそうでポジティブな考え方の人が多い印象です。僕みたいに親とか周りの人間が協力的な人が多く、のびのびとしている生徒が多いと思います。

 

――1年生の時はどういったことを学んだのでしょうか。

 

福間先生:1年次は、普通科でやるような普通科目と、情報高校ならではの商業や情報科学をバランスよく学ぶカリキュラムになっています。専門科目は、ビジネス基礎という経済の基礎科目や簿記、情報に関する基礎知識と表計算を学ぶ情報処理、プログラミング言語のRubyでアルゴリズムを学習する授業があります。他の商業高校ではプログラミングは全校生徒必修ではないところが多い。一方、情報科学高校では必修となっており、特徴の一つだと言えます。

 

 

谷口さん:プログラミングが一番得意ではあるのですが、専門科目で一番好きだったのは簿記ですね。授業で簿記の面白さを知ることができました。

 

――谷口さんと福間先生の出会いについて教えてください。

 

福間先生:谷口さんとの最初の出会いは、1年の部活動の説明会だったかと思います。私は情報科学部という部活動の顧問をしており、谷口さんが入部してくれたので、顧問と部員という関係でもあります。

 

谷口さん:1学期の前半のプログラミングの授業を受け持っていたのが福間先生で、その時の初対面の印象が強いですね。

 

――谷口さんはどんな生徒でしたか。

 

福間先生:すごく積極的な生徒で、自分でプログラミングの学習を進める生徒でした。学校ではRubyという言語しか勉強しないのですが、Javaを独学で勉強して、タイピングゲームを一人で作ったこともあります。なかなか私にもできないことです。

 

谷口さん:タイピングゲームは2年生の最初から2カ月から3カ月ぐらいかけて作りました。今は推奨されていないコーディングで設計したので、あまり大きく自慢はできないのですが、新しく学んだことを形にせねばという一心で作りました。

 

――Ruby、Java以外のプログラミング言語も勉強しているのでしょうか。

 

谷口さん:僕が1年生の時にC#(ゲーム開発などで用いるプログラミング言語。読みはシーシャープ)ができるすごい先輩がおり、僕も独学しようとしたのですが、C#は難しくて断念しています。今年3年生なのですが、これからはPython(パイソン)という言語を新たに勉強してAIのプログラミングをしたいと考えています。

 

 

――ゲーム開発以外で、ここまでの高校生活を振り返って達成感のあった出来事を教えてください。

 

谷口さん:2年生の9月に「ITパスポート」という資格を取得しました。今年は「基本情報技術者試験」という上級の資格試験を受ける予定です。試験を受けるうえではひたすら過去問を解き、単語は過去問の解答解説を読みながら覚えました。

 

――高校生活で良くなってきたことや成長したと思えることはありますか。

 

谷口さん:自分でしたいと思った勉強を自分でできるようになったことです。中学時代はどんな分野であろうと勉強したいとは思わなかったのですが、自分で計画を立てて勉強できるようになったのは大きく成長した部分ではないかと思います。

 

――自分一人でも勉強できるようになったのはなぜでしょう。

 

谷口さん:地元から離れた解放感、そして誰も知り合いがいないという環境。これらによって、これまでの生活が一度リセットされたのはあると思います。同時に、生活にはお金がかかりますから、親に申し訳ないという気持ちも生まれました。その分勉強しようという気持ちが大きくなったんです。特に学校での勉強がうまくいかなかったりすると、親に申し訳ないという気持ちが増します。

 

 

 

これからも勉強し続けたい

 

――高校生活残りの最後の1年で何をしたいですか。

 

谷口さん:基本情報技術者試験と、日商簿記2級を取得したいと考えています。簿記は日商簿記だけでなく、全商簿記1級にも興味があります。

 

――高校卒業後はどんな将来を描いていますか。

 

谷口さん:ほかの資格取得にも挑戦したいです。プログラミング系だけでなく、電気工事士やトラック、バイクの免許も取ってみたいですね。情報技術面ではクラウド系のSalesforceやAWS(Amazon Web Services)などの勉強もしたいです。

 

――しまね留学を検討している人に向けてメッセージをお願いします。

 

福間先生:「農業×IT」「医療×IT」など、これからあらゆる分野にITが入っていきます。ですので、情報科学高校で学んだことは必ず、どんな職業にも生かされると思います。今年の1年生から生徒がiPadを学校に持ち込んで学習できる制度もスタートしており、環境面もどんどん充実してきています。やる気のある生徒に全国から来てほしいですね。

 

これからしまね留学を目指す方へ

情報科学高校に入ると、資格を取る機会がかなり増えます。元は商業科の高校なので、普通科の高校に比べて進路が狭まるように見えるかもしれません。でも、狭まったように見えて実は視野が広がります。

学校情報

島根県立情報科学高等学校

〒692-8500
島根県 安来市 能義町310
TEL:0854-23-2700

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