しまね留学インタビュー

2024.07.04

島根県立江津高校 石村悠太さん

石村悠太さん

・福岡県北九州市出身

 石村悠太さん

のびのび過ごせる環境で仲間に恵まれ成長することができた石村悠太さん

中国地方最大の河川・江の川の河口に位置する江津市。島根県西部のまちで、赤褐色の石州瓦をのせた家々が立ち並ぶ石見地方らしい景色が見られます。「東京から一番遠いまち」として紹介されることもありますが、自然豊かなのどかさと都市の利便性を併せ持つ暮らしやすさが、全国各地から移住者を呼び寄せています。石村悠太さん(令和5年度卒業)は福岡県北九州市から島根県立江津高等学校に留学しました。3年間の学校生活では、水球部の活動に励み、寮生活や生徒会活動などでもさまざまな経験をしたそうです。中学時代はおとなしく引っ込み思案だったという石村さん。江津高校で明るい性格になれ、消防士という新しい夢も見つかりました。大きな成長を遂げた三年間を、友人の流大夢(ながれひろむ)さんと共に振り返ります。

 

 

入学前の体験会で優しい先輩に安心感をもらう

 

――本日はよろしくお願いします。

 

まずは石村さんが江津高校に留学するに至った経緯を教えてください。
石村さん:元々自然が好きだったというのが島根に決めた理由の一つです。育ったのは北九州市ですが、生まれたのは群馬の自然豊かなところ。親戚がいるのでときどき帰省していて、そういう場所で学びたいと思っていました。

 

――江津を選んだ理由は?

 

石村さん:「高校はちょっと違うところで過ごしてみたい」と言っていたら、親が「島根県の高校には寮があるところが多いらしい」と教えてくれました。それなら島根県の高校から選ぼうとなり、しまね留学のZoom説明会に参加。親から車で行ける場所にしてほしいと希望があったこともあり、北九州からのアクセスがいい西部の浜田高校・大田高校・江津高校の話を聞きました。

 

――興味を持ったポイントは?

 

石村さん:説明会で紹介された水球部です。中学校では科学部だったので運動経験があまりなかったのですが、挑戦してみたいと思いました。

 

――留学前は不安もあったと思います。当時を思い返してみてどうですか。

 

石村さん:島根県にどんな人がいるのかわからないのがすごく不安でした。でも、入学前水球部の体験に行ったとき、いろんな県から来た先輩たちがいてみんなすごく優しかった。「何かあっても大丈夫だな」と安心できました。

 

――田舎暮らしに心配はありませんでしたか。

 

石村さん:心配はなくて、逆に憧れが強かったです。元々外に出るのがすごく好きで、自然のあるところが特に好き。江津は海が近いのもあり、福岡ではなかなか行けないような場所がたくさんあるのが楽しみでした。

 

 

 

水球部で仲間と勝ち得た達成感

 

――一番熱心に取り組んだことは何ですか。

 

石村さん:やっぱり水球です。最初は泳げない状態でスタートしました。ポジションがゴールキーパーになって、水に浮かないといけないのでずっと練習して……。その結果、2年生のときの5県対抗試合でキーパーのセーブ率3位に。結果を残せて嬉しかったです。チーム自体は初心者が集まっているのでそこまで強くないんですが、3年生のときに岡山であった公式戦で初めて広島県の高校に勝利 。それまで勝てなかったので、実績は残せたのかなと思います。

 

――江津高校の環境について驚いたことはありますか。

 

石村さん:中学時代に福岡にいたときは、高校受験でみんなピリピリしていました。中学校から受験に対して結構厳しい環境だったので。僕は3年生の早い段階で進路が決まっていたので、教室の空気が耐えられなくて、居づらくて……。ずっとトイレ掃除をしていました。江津高校は大学受験の時期になってもみんなピリピリしていないので驚きました。

 

――しまね留学をする前と後でどういう変化がありましたか。

 

石村さん:性格が明るくなった感じがしています。江津高校は明るい人が多くて、僕は元々ちょっと暗めなというかおとなしい部類だったんですけど、友達や雰囲気が良かったおかげですね。

 

――親御さんにも「明るくなったね」と言われたり?

 

石村さん:「明るくなった」はないんですが、「大人っぽくなったね」とは言われます。 やっぱり寮に入ったからでしょうね。

 

 

――流さんは江津出身で1年生のときからの友達ということですが、仲良くなったきっかけは?

 

石村さん:入学してすぐにあった遠足です。オリエンテーリングのような感じの。

 

流さん:最初は石村くんが寮生なのも知らないぐらい、お互いのことが何もわからなくて。どんどん話していくうちに「あ、県外から来たんだね」と。福岡は都会だなと思ったんですが、すごく話しやすかったのですぐに打ち解けました。

 

――流さんから見て石村さんはどう変わりましたか。

 

流さん:いろんな人に話しかけに行くようになったと思います。最初のころは様子を見るような感じだったけど、今は朝学校に来たら「おはよう!」とみんなに声をかけるし、一人でいる子を見つけたら近くに行ってちょっかいをかけたり。積極的になったと思います。

 

 

 

先輩や友達に恵まれた寮生活

 

――特に思い出に残っていることは?

 

石村さん:寮生活が楽しかったです。入る前は、高校の寮に対して厳しいイメージを持っていました。でも、江津高校の寮は帰る時間や勉強時間などのルールはありましたが、全体的にルールが緩やかで思ったより過ごしやすかったんです。先輩も明るい人ばかりで、よく一緒に遊んでいました。寮は県外からくる人ばかりで、ほぼ全員水球部でした。

 

――部活も寮も同じメンバーで、先輩もいるとなると、気が抜けなかったりするのでは?

 

石村さん:いえ、そんなことはなくて、どんどん仲良くなっていきました。最初はちょっといざこざとかもありましたが、みんな本当に仲がいいです。

 

――在学中はどこで遊んでいましたか?

 

石村さん:寮の近くに大きなグラウンドがあって、みんなで野球をしていました。あとは浜田(江津市の隣の市)に遊びに行ったり。浜田まではJRを利用するんですが、一度だけ自転車で挑戦したことが……。すごく遠かった!

 

――学校活動で頑張ったことを教えてください。

 

石村さん:2年生で生徒会長をやりました。誰も立候補しなくて、先生から頼まれたのですが……。文化祭ではテーマを決めたり、執行部に仕事を振り分けたりしました。

 

 

――引っ込み思案だった人が生徒会長になるのはすごいですね。流さんは石村さんをどう見ていましたか。

 

流さん:大変そうでしたね。うまくやってるのかな?と心配になるところもありましたけど、なんとかやり遂げていたという感じです。

 

先生との距離が近く、のびやかな学びがある環境

 

――先生についてはどんな印象を持ちましたか?

 

石村さん:生徒の意見を聞いてくれる先生ばかりだと思います。距離が近く、一人一人を見てくれているようなイメージですね。江津高校は僕たちの代から修学旅行が始まって、東京に行かせてもらえました。生徒からの要望を聞いてもらえたみたいです。現地ではそれぞれ自分たちで予定を決めて行動でき、自由にいろいろなところに行けました。

 

――地元の人の流さんは先生の雰囲気をどう思います?

 

流さん:僕も同じように思いますが、江津高校は特別かもしれません。地元の他の高校に通っていた兄の話を聞いて比較すると、江津高校の先生はフレンドリーな感じがします。

 

――探究活動では、石村さんはちょっと変わったことをしていたとか。

 

石村さん:イモリの研究です。生き物が好きというところから始まって、一緒に探究活動をする人が生物にすごく詳しい人で、彼についていく感じで。飼育しながらその行動について調べました。学校からアクアス(江津市と浜田市にまたがる水族館)を紹介してもらい、イモリやサンショウウオの担当の人に質問しに行ったこともあります。

 

――学校側が地域の専門家と繋げてくれるのは良いですね。流さんはどんなテーマでしたか。

 

流さん:自分が住んでいる地域のことを知らないので、 学びながらみんなにも伝えてみようと、伝統工芸品のことなどを調べました。

 

――お二人とも就職が決まっているそうですね。どんな仕事に就くんですか?

 

石村さん:僕は群馬県で消防士になります。目指す進路が決まったのは2年生のとき。中学生のころは自分が何になろうとかあまり考えたことがなくて。高校に入ってから職業体験などを通じて、やりたいことを考えていきました。

 

――消防士を選んだきっかけは?

 

石村さん:自然が好きなので、最初は農業関係の方向にしようかなと思っていました。あるときごぼうを栽培する地元企業の方のお話を聞く機会がありました。「本当に好きなことじゃないとやるな」と言われ、「自分の好きなことってなんだ?」と考えるように。そんな中で災害などのニュースを見ていたら、人を守りたいと感じるようになりました。
江津で消防士になりたかったのですが、残念ながら受からなくて……。祖父が群馬で一人暮らしをしているので、一緒に住んで支えるために群馬を選びました。

 

 

――なりたい消防士のイメージはありますか?

 

石村さん:とにかく仲間に迷惑をかけないようにしたいです。ネット動画などで火事の映像を見ると、1人のミスが全体のミスに繋がるのだと感じます。指示をよく聞いて、チームに溶け込む消防士になりたいです

 

――流さんは江津で就職されるそうですが、地元を選んだ理由は?

 

流さん:親にもしものことがあって、体調悪くなったり倒れたりしたらすぐ駆けつけれるよう、県内で働きたいと考えていました。県外は選択肢になかったです。 そこから周りの人に情報を教えてもらったり、自分で調べてみたりして、ここだと思う会社があったので地元で就職することを決めました。

 

――石村さんはこれから江津を離れますが、また来たいですか?

 

石村さん:はい。休みがあれば水球部を見に来たいです。自分が現役のとき、江津に残っているOBの方が来てくださってとてもありがたかったので、同じように指導などできればと思います。

 

 

これからしまね留学を目指す方へ

江津高校は先生と生徒の距離が近く、生徒たちも仲が良いです!そういう過ごしやすいところが魅力だと思います。また、石見神楽や水球、ハンドボールなど珍しい部活動もあり、自分のやりたいことが見つかる学校だと思うので、ぜひ来てください!

学校情報

島根県立江津高等学校

〒699-1251
島根県 江津市都野津町 293
TEL:0855-53-0553

詳しくはこちら

この記事をシェアする