地元生インタビュー
2021.05.20
島根県立大東高校 小山千穂さん
地元生インタビュー
2021.05.20
島根県立大東高校 小山千穂さん
小山千穂さん(令和3年3月卒)
・ 小学2年生からバドミントン部に所属
・ 1年生からキャプテンを務める
地元について学んだことが夢につながった
目標に向かって努力を続けた小山千穂さん
神話の舞台となるなど、豊かな歴史と文化を持つ島根県雲南市。同市大東町の県立大東高校では、地元である同市について学ぶ機会が設けられています。「総合的な探究の時間」(※1)の中で、高校魅力化コーディネーター(※2)とともに同市の課題について考えていくものです。自分が学ぶ地域について知ることで、将来の目標が定まったという小山千穂さん(18)は、夢の実現のため苦手意識のあった勉強と向き合いました。2、3年生の時に担任を務めていた福村李晋(としくに)先生とともに、小山さんが3年間を振り返ります。
※1 令和元年度入学生から高校では「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」になった。
※2 教職員とは別で、学校と地域を結びつける役割を担っている人材。島根県立高校には、2020年5月時点で約50人が配置されている。
1年生のときからバドミントン部のキャプテン
――本日はよろしくお願いします。小山さんはご家族皆さんが大東高校出身だそうですね。
小山千穂さん(以下、小山さん):父、母、兄に姉2人が大東高校出身です。良い学校というのは家族から聞いていました。
――進学先は大東高校一本に絞っていたのでしょうか?
小山さん:実はもう一校と迷っていました。小学2年生から続けていたバドミントンを高校でも頑張るつもりでしたが、当時の大東高校の女子バドミントン部には部員がいなかったんです。「メンバーが揃うのかな」という不安はありましたが、何人か入部するという話を聞き、最終的には入学を決めました。大東高校の女子バドミントン部は強い時期もあったので、もう一度地元のチームを盛り上げたいという思いが強かったですね。
――先輩がいない中でのスタート。不安も大きかったのではないでしょうか。
小山さん:不安はありましたが、その分部員と話し合って一つひとつ決めていました。当時の部員は6人。団結力は強かったと思います。
福村李晋先生(以下、福村先生):1年生の時は別のクラスの担任を務めていたのですが、授業で(小山さんの)顔を見る機会はありました。僕の担当する数学はあまり得意ではなさそうでしたが(笑)
小山さん:苦手でした(笑)
福村先生:ただ、バドミントンにはとても一生懸命取り組んでいる印象はありました。
小山さん:実は部活が終わった後、社会人チームの練習に参加していたこともありました。もともと勉強が得意というわけでもなかったので、「やっていけるのかな」という不安があったのは事実です。
福村先生:彼女は1年生の時からキャプテンを務めていましたが、進級するにつれて、リーダーシップが身についていくのを感じました。
小山さん:チームの練習メニューを考えつつ、自分の技術を伸ばしていく必要があり、大変でした。部員とぶつかって落ち込むことも多かったです。それでも、「結果を出さなければならない」という使命感を持って取り組んできました。2年生の時に県総体(島根県高等学校総合体育大会)の団体戦で優勝した瞬間は、忘れられない思い出です。
福村先生:もう一つ彼女の成長した部分を挙げると、自分に自信が持てるようになったところだと思います。勉強が得意でないと言っていたように、以前はあまり自信を持てていないように見えました。ですが、進学を考えて苦手だった勉強に取り組むようになり、妥協せず第一志望の大学に進学できました。
小山さん:勉強は本当に苦手です。難しい…(笑)
福村先生:本当に不安だったんだね(笑)
地域の課題について考え進路が定まった
――苦手意識のあった勉強に取り組むきっかけは何だったのでしょうか?
小山さん:1年生の時の「総合的な学習の時間」という授業で、雲南市の地域課題について学んだことがきっかけです。空き家問題や高齢化など、今まで住んでいたのに知らなかった課題がたくさんあることに気づかされました。授業は地域課題を解決するシミュレーションゲームも取り入れられていて楽しかったです。勉強でこんなに楽しいと思うことがあるんだと感じるほどでした。
福村先生:(笑)
小山さん:地域のことを考えるのが本当に楽しかった。これなら一生続けられると思いました。地域のことを考えられる仕事に就けるよう、それに関連する分野が学べる大学を探し始めたんです。バドミントンでの進学を考えていた時期もありましたが、切り替えて勉強を頑張ろうと決めました。
――具体的な将来の夢は何ですか?
小山さん:市役所に就職して、地域の課題解決に取り組むことです。大学も地域政策系の学部を選びました。
――苦手なことに取り組むというのは大きな決意だと思うのですが、なぜそこまで強い気持ちを持てたのでしょうか?
小山さん:大東の方は、あいさつすると「おかえり」と返してくださいます。道端で全く知らない人と立ち話することもあります。温かい、家族のようなつながりを感じられるのです。バドミントンの大会で、地域の方にお世話になることもたくさんありました。そんな大東を守り、地域の方々に恩返しができればという思いが強いです。
福村先生:受験勉強では一切妥協することなく頑張ってくれました。教科の勉強はもちろん、試験には面接もありました。「なぜこの大学なのか」を言葉で伝えるのは、なかなか難しいことです。しかし彼女は挫折することなく最後までやり抜きました。
小山さん:大東に貢献するという目標を定めたことで、勉強も頑張れたと思います。
生徒一人一人の距離が近いのが魅力
――大東高校はどんな雰囲気の学校でしょうか?
小山さん:みんなとても明るいです。先生との距離も近く、担任や顧問の先生以外でも勉強以外のことで気軽に話せます。福村先生も楽しい場を作ってくれながら導いてくれる先生でした。
福村先生:上手にまとめたね(笑)。そう言ってもらえると、嬉しいですね。受験に限らず、目標に向けて妥協せずよく頑張ってくれたと思う。学園祭でもクラスを引っ張ってくれる存在でした。主担当でクラスをまとめる係をやったのは2年生の時だったかな?
小山さん:そうですね。教室でミニゲーム会場の設営をすることになったのですが、部活よりも多い人数の意見をまとめるのが難しかったです。
福村先生:でも終わってみれば来場者からの評判は良く、各クラスの出し物の中で一番いい賞をもらうことができました。もう一人主担当の子がいたのですが、その子と協力しながらうまくまとめてくれていたように思います。
小山さん:私一人の力だけでは、頑張れなかったと思います。クラスの一人一人が率先して意見を出し、仕事を担ってくれました。みんなが協力してくれたおかげです。
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これからしまね留学を目指す方へ
私は地元の大東中学校から進学したのですが、地元以外の方からしても過ごしやすい高校だとおすすめできます。生徒数が極端に多いわけではないので、生徒同士の距離が近く、団結力の強い学校だと思います。私自身が目標を見つけられたように、いろいろな学びや経験から将来の夢を見つけられる学校です。
学校情報
島根県立大東高等学校
〒699-1251
島根県 雲南市大東町 大東637
TEL:0854-43-2511
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