なぜ「しまね高2留学」に？

もともとは地元の宮崎県にある中高一貫の全寮制の学校にいました。最初は良かったのですが、規則などが厳しかったせいか、生活していくうちに「自分は窮屈な世界にいる」という気持ちになりました。中学3年生のときに、2学年上の先輩が「高2留学」の1期生として北海道の斜里高校に行ったと知り、応募したいなと思っていました。

留学先に選んだ理由

当初は津和野高校を希望していましたが、いろいろあって断念、他の学校を探しているときに隠岐高校と隠岐島前高校を知りました。「島にある学校って面白いだろうな！」と思い、島前高校のホームページを見たら「島丸ごと学校」のようなキャッチコピーがあり、心惹かれました。在籍校に相談したところ、島前高校の取組を知っている先生が多く、良いところだと言われたのでここにしようと決めました。

留学前に不安だったこと

中学から親元を離れてずっと全寮制の学校で過ごしていたので、島前高校での寮生活に対して不安はありませんでした。ただ、2年生からの留学なので、1年生のときからできあがっている人の輪の中に入れるかなという思いはありました。でも、寮に入った初日に不安は消えました。すぐにみんなに囲まれて、島のレストランで一緒にご飯を食べたり、明屋海岸という場所に連れていってもらったり、夜は寮で鍋もしました。

がんばった・チャレンジしたこと

島前高校には「夢探究」という授業があります。僕は5人ぐらいのメンバーと一緒に竹害について1年間取り組みました。竹を取りに行ったり、地元の方に話を聞きに行ったり、しまね探究フェスタ（※）にも参加。最終的には竹でベンチを作って野球部に寄付し、毎年地域の方がたけのこを取れるように「竹林マップ」も作りました。
※島根県の高校生が一堂に集まり、探究学習や課題研究等の成果を発表する場

おいしかった（好きになった）食べ物

隠岐で初めて牡蠣を食べて、「めちゃくちゃ美味しいな！」と思いました。食べる前はよくあたるという話を聞いていたので抵抗感のようなものがありました。殻に入っているのをその場で開けて、生のまま水で洗って食べるのが本当においしいです。

学校生活で印象的な思い出は？

4人ぐらいでレインボービーチという岬に行ったとき、まだ4月末で海に入る時期ではなかったのに「みんな飛び込め」という雰囲気に。さすがに初めてなので気後れしましたが、みんなに捕まって持ち上げられて海に投げ飛ばされ、びしゃびしゃに。島っ子だなという感じで、すごく印象に残っています。半袖半ズボンだったので本当に寒かったのですが、いい経験だったと思います。

嬉しかったこと

先輩が海士町内や西ノ島地区に連れて行ってくれたり、繋がりのある方と僕を結びつけてくれたりしたのが、すごく嬉しかったし、自分のためになったと思います。人との繋がりを大切にしている先輩が多く、後輩にもそれをずっと続けていってほしいという思いがあったようです。

１年間で一番頑張ったなと思うこと

「地域に出る」ことです。宮崎の学校ではずっと寮にいて、勉強と部活動に明け暮れていました。島前高校では自分の時間を自分で決めることができ、外に出ることも多いです。友達が連れ出してくれ、牡蠣の養殖の手伝いや釣りなどいろいろ経験をしました。また、「島親制度」というものがあり、隣の西ノ島にいる島親さんにお世話になりました。月に1、2回休日にお会いして、お子さんと遊んだり、一緒に釣りに行ったり、西ノ島を観光させてもらったり、バーベキューにも誘ってもらいました。地域の人との関わりを深められた1年でした。

自分のココが変わった

親にも結構言われていたことですが、僕は人の意見を聞きはするのに考えに取り入れようとしないところがありました。でもここに来ていろいろな大人の方と話す機会が増え、他人の意見を受け入れるようになったかなと思います。友達から「最初の雰囲気とは変わったね」と言われ、自分自身でも実感があります。

一番おどろいたこと

島々を結ぶ内航船が天気によって止まるのはすごく驚きました。普通だったら天気が悪くても傘をさして学校に行くと思いますが、他の島から船で来る生徒がいるので、船が出ない日は休校になるんです。休みになったら寮の生徒もみんな自由に過ごしています。

将来どんなことをしたいですか？

受験が終わったら、地元・五ヶ瀬町の地域に出て新たな発見をしたいです。中学1年生から高校1年生までは学校の外に出る機会が全くありませんでした。自分たち五ヶ瀬町にいる生徒と街がもっと近い存在になれればいいなと思います。