高2留学生インタビュー

2025.01.31

島根県立隠岐高等学校 畠山雪亜さん

なぜ「しまね高2留学」に?

在籍校である十文字中学・高等学校には、中学受験で入って、4年間を過ごしました。生まれてからずっと東京にいる生活の中で、新しい環境に飛び込んでみたいなと思ったことが何より大きな動機です。在籍校が中高一貫の女子校だったので、共学の環境というものにも関心がありました。 また、在籍校での探究テーマを「地方創生」にしていて、地方創生に関する課題等を見つけるためには、実際に地域に飛び込んでみるのがいいのではないかと思ったのもきっかけのひとつです。

留学先に選んだ理由

留学先を選ぶときの基準として、地域と繋がりながら探究活動がしっかりできそうであることはもちろん、通常の科目学習にも力を入れている学校がいいなと思っていて、カリキュラムなどもしっかり見たうえで、ピッタリ来たのが隠岐高校でした。事前にしっかり調べていたこともあって、現地見学に行ったのも隠岐高校だけです。

留学前に不安だったこと

不安だったことは大きく3つあります。1つ目は、寮生活をすること。2人部屋というのがどうしても不安で、同部屋になる生徒と仲良くやっていけるのか心配でたまりませんでした。
2つ目は、女子校で生活をしてきたので、男子生徒が日常の中にいるということです。男子生徒への接し方ももちろん、そうした環境に慣れている女子生徒と女子校の女子生徒では、普段の立ち振る舞いや感覚も違うかもしれないという不安がありました。
3つ目は、隠岐高校の生徒たちは小学校や保育園の時から同じメンバーなので、友だちの輪ができているところに急に1人で飛び込んで馴染めるのか心配でした。 実際に留学してみて、寮生活は、慣れてくると楽しくて、今ではもうすぐ離れ離れになってしまうことを寂しく感じるくらいです。男子生徒のいる日常生活や、クラスに馴染めるかといったことに関しては、留学当初は違いに多少戸惑いもありました。でも、1学期の球技大会でみんなと話すことができて、そこで打ち解けられた気がします。隠岐高校の生徒は性別や先輩後輩関係なく、仲が良くて団結力があるなと感じています!

がんばった・チャレンジしたこと

三味線の練習です。もともとバイオリンを10年間やっていたんですけど、まさか隠岐で和楽器に触れられたり、挑戦できたりするとは思っていませんでした。芸術の選択授業で三味線や隠岐民謡に触れる時間があって、さらに島親(※)さんが三味線を人に教えている方ということもあって、自分も挑戦してみようと思いました。今は隠岐民謡の『しげさ節』と『浄土ヶ浦小唄』の2曲をマスターできていて、『どっさり節』を残りの留学生活中に弾けるようになりたいと思い、がんばって練習しています。三味線は東京に戻っても続けていきたいです!
※隠岐高校では高2留学生らが学外で地域の方とつながるために「島親」制度を設けています。

学校生活で印象的な思い出は?

まずは地域のあたたかさがとても印象的。街を歩いているとき、知っている人か知らない人かは関係なく「おはようございます」「こんにちは」と必ず挨拶をするんです。距離の近さを感じますし、気にかけてくれているんだなという嬉しさを毎日感じます。
すごいシーンを見たなと感じた出来事もありました。それは島親さんの家の近くの小学校で運動会の練習があった日のこと。練習終わりの小学生たちが、島親さんの家に「こんにちはー!」と流れ込んできたんです!島親さんは小学生たちに笑顔でアイスクリームを配っていて、小学生はアイスをもらうと嬉しそうに帰っていきました。東京で「知らない人からはモノをもらうな」と言われ続けてきた私にとって、衝撃の走るシーンでしたが、「島では地域で子どもたちを育てるんだよ」という島親さんたちの言葉に、妙に納得しました。
あとはやっぱり自然です!海が目の前にあって、「島にいるんだな」と感じます。道端でカニに出会ったり、川沿いにカメがいたり。田んぼの風景も目に焼き付いています。

自分のココが変わった

寮での共同生活を経験する中で、2点成長したことがあると思っています。 1点目は「生活力」が格段に向上したことです。掃除や料理は苦手だったのですが、寮生活の中で周囲のメンバーに教えてもらいながら、自分でいろいろとできるようになったのはとても大きな変化だと思います。
2点目は、周囲の人と「協力」することの大切さを感じられるようなったことです。これまでの自分は、人に頼ることに恐怖心があって、自分の気持ちをため込んで生きてきたと感じています。でも、寮では周囲のみんながどんどん思っていることを言ってくれるので、「自分も思っていることを言ってみよう」と考えられるようになり、実際に行動に移すようになりました。自分の気持ちを話すことでストレスも軽減できると感じたし、お互いに頼り合う中で、一人で考えているだけでは得られない視点やアイデアが見つかることもあるんだと気付くことができました。

将来どんなことをしたいですか?

地方創生や社会学、法律などについて学べる大学に興味があります。もともと地方創生には興味はあって、「IターンやUターンを増やすにはどうしたらいいんだろう」ということを考えたいと思っていました。でも、この留学を通して、IターンやUターンでその地域に来た人たちを支援・アフターフォローすることも重要なのではないかと感じるようになりました。そうしたことを学んだうえで、地域でのイベント運営などに携われないかと考えています。成長させてもらった隠岐の島町という地にも、どこかのタイミングでまた戻ってきて、“隠岐の島町を盛り上げる”ということにチャレンジしたいとも思っています。
一方で、少し違う領域なのですが、教員にも関心あります。東京の在籍校で歴史を教えてくれていた先生を尊敬していて、その先生と一緒に母校で働いてみたいという思いも募っています。教員を一回経験した後に、地方創生にチャレンジするのもいいなと思います。

思い出スポットBEST3

寮の食堂

隠岐の島町に来て、初めての挨拶をした場所がここです。
寮の中で男子と唯一接点がある場所で、みんなと家族のように話すことができる大切な場所。

島親さんのお宅

とても優しい島親さんたちが、自分たちのような留学生を本当の子どものように接してくれます。
留学生同士でお互いの島親さんのお宅を行き来することも。
どのお宅にお邪魔しても、ご飯がとっても美味しいです!

寮近くの田んぼ道

田んぼが広がっていて、山々に囲まれている自然豊かさを感じられ、よく散歩をしたりする場所。 穏やな気持ちになれる感覚があります。
東京は東京で便利でありがたいんだけど、電車が3分に1本来るということも実は当たり前のことではなくて。 そのありがたさも外に出てみるからこそわかることですよね。

1年前の自分へMessage

留学は楽しいことだけじゃない。 苦しいこともあるけど、それ以上に得られるものがある。
大人になってからではなかなか飛び出すってできないと思うから、チャレンジして正解!
チェーン店やコンビニもなくて「生きていけるんだろうか」って思っているだろうけど、「実際過ごしてみると全然問題ないよ」と伝えたいです。 そして、「東京では景色を見るということはないだろうけど、島で星空や景色を見ながら歩く日常って、とってもいいよ」ということも伝えたいですね。

学校情報

島根県立隠岐高等学校

〒685-0006
島根県隠岐郡隠岐の島町有木尼寺原1
TEL:08512-2-1181

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